美容室の出店エリアはどう決める?|スタッフから逆算する店舗展開

7d6fddc4d5f4457e598413974089fe73.jpg

美容室の出店エリアを決めるとき、多くの場合は乗降客数や競合数といった数字から入ります。


ところが、国内10店舗・海外3店舗を展開するNORAの考え方は逆でした。


出店の起点はマーケットではなく、人。スタッフが育ったタイミングで、その人がいちばん輝ける街に店をつくる。この順番で20年近く店舗を増やしてきました。

この記事でわかること

  • 「人」から出店エリアを決めるという考え方
  • 街のカルチャーとスタッフの相性という基準
  • 初期投資4,000万円を400万円に抑えた仕組み
  • 手元資金を残すと、なぜ融資が受けやすくなるのか

出店の起点を「人」に置くとどうなるか

広江代表は、出店の判断基準をこう語っています。売上目標や店舗数ではなく、スタッフが育ったタイミングで、その人が最も輝ける環境を整えるために店舗をつくる。

目指しているのは「セレクトショップのようなサロン」。異なる個性のスタイリストを育て、送り出していく組織です。

街とスタッフの相性で選ぶ

具体的なエリア選定は、驚くほどシンプルです。

  • 古着好きで個性的なスタイルのスタッフなら下北沢
  • サーフカルチャーが好きなスタッフなら鎌倉

スタイリスト本人と、街の空気が合っているか。これが最優先の条件になります。

数字だけで選んだ立地に、合わないスタイリストを配置しても力は出ません。指名で成り立つ商売である以上、この相性は無視できないという判断です。

新陳代謝が回る仕組みになる

看板になるスタイリストの背中を見て、次の世代が育つ。育った人のために、また次の店をつくる。

NORAでは新卒スタッフを2年半かけて育成し、スタイリストデビューまで導くプロセスが確立されています。出店計画と育成計画が、同じサイクルの中にあるのが特徴です。

「出店したいときに出せる」状態をどうつくるか

この方針には、当然ながら難しさがあります。

人が育つタイミングは、こちらの都合では決まりません。「今、この人のために店を出したい」と思ったときに動けなければ、この戦略は成立しないのです。

1店舗数千万円という壁

美容室の出店には、内装・保証金を含めて1店舗あたり数千万円が必要になります。

ここに資金を使い切ってしまうと、本来いちばん投資すべき採用・教育・広告に回すお金がなくなる。広江代表自身、2007年の独立時にこの状態を経験しています。

銀座店での実例

本来であれば内装・保証金を含めて4,000万円近い初期投資が必要な出店を、「店舗まるごとリース」の活用によって400万円程度に抑えたとのこと。差額の3,500万円以上は、採用・広告・人材育成に充てられています。

全額でなくてもいい、という使い方

使い方は案件ごとに変えているといいます。

  • 全額をリースでまかなうケース
  • 保証金のみリースにして、内装は自己資金で行うケース

渋谷や大阪の店舗でも、状況に応じて使い分けているとのことです。「使うか使わないか」ではなく「どこに使うか」で考えると、選択肢が広がります。

「このスタッフに合う街で探したい」というご相談も承っています。
エリアの雰囲気や客層を踏まえた物件のご提案が可能です。

▶ 物件・出店のご相談はこちら

手元資金を残すと、融資が受けやすくなる

ここが、意外と知られていないポイントです。

執行役員の滝田氏は、金融機関の見方についてこう説明しています。

キャッシュゼロと、3,600万円残しの違い

  • 全額現金で出店した場合:手元資金を使い切り、キャッシュがほぼゼロになる
  • リースを活用した場合:支出400万円に留め、3,600万円が手元に残る

後者の場合、銀行は返済能力を評価し、むしろ「追加で借りませんか」と提案してくるほどだといいます。

手元資金を残すことは、単なる安心材料ではありません。次の出店のための与信を守る行為でもあるということです。

物件の質は、落とさない

初期投資を抑えるといっても、安い物件で妥協するという意味ではありません。

広江代表は、店舗を「髪を切る場所であると同時に、SNSでブランドの世界観を発信するメディア」と位置づけています。採用にも集客にも直結する以上、質は落とせません。

だからこそ、事業者の与信を借りることで良い物件の選定と初期投資の削減を両立させるという発想になります。

コロナ禍で加速できた理由

2020年の第一波では、多くの美容室が営業を停止し、採用も止めました。

NORAは「美容は生活必需」と判断して営業を継続。この時期に増えた空き物件と下がった賃料相場を活かし、出店を加速させています。

動ける資金を持っていたからこそ、市場が緩んだタイミングを取れたという一例です。

この事例から持ち帰れること

  • 出店エリアは数字だけでなく、街のカルチャーとスタッフの相性でも選べる
  • 「人が育ったときに出せる」体制には、資金の余力が前提として必要
  • リースは全額でなく、保証金のみ・内装のみといった部分活用もできる
  • 手元資金を残すことは、次の融資を受けやすくする効果がある
  • 初期投資の圧縮と、物件・内装の質は両立できる

よくある質問

Q. 美容室の出店エリアは、どんな基準で選べばいいですか?

A. 乗降客数や競合数に加えて、配置するスタイリストと街の客層が合っているかを確認することをおすすめします。指名で成り立つ業態では、この相性が売上に直結します。

Q. 初期費用を抑えると、物件のグレードも下がりますか?

A. 必ずしもそうではありません。事業者が契約者となるサブリース型を使えば、与信の面で条件の良い区画にも申し込めます。物件の質を保ったまま初期支出を抑える組み立ても可能です。

あわせて読みたい

物件をお探しの方へ

サロン不動産ネットでは、エリアの客層や街の雰囲気を踏まえたうえで、美容室・エステサロン向けのテナント・居抜き物件をご紹介しています。

「この街で、この規模で」というご希望をお聞かせいただければ、条件に合う物件が出たタイミングでご連絡します。

▶ 物件・出店のご相談はこちら(お問い合わせフォーム)

▶ まずは会員登録して物件情報を受け取る

本記事は、BGパートナーズのオウンドメディア「サロンまるごとサポート」に掲載されたインタビューをもとに、物件・出店戦略の観点から編集部が再構成したものです。ご本人の言葉によるインタビュー全文は、下記の元記事でお読みいただけます。
インタビュー全文:株式会社NORA 代表取締役社長 広江一也氏(サロンまるごとサポート)

相談無料!秘密厳守!掲載料無料!

まずはお気軽にお問合せください

お電話でのご依頼・お問合せ: 0120-977-303
受付時間: 9:30~18:30(土日祝祭日を除く)

Menu