造作譲渡料とは? 美容サロンの居抜き物件で確認すべきポイントを解説

美容室やアイラッシュサロン、ネイルサロンなどの居抜き物件を探していると
「造作譲渡料」という言葉を目にすることがあります。
造作譲渡料が数百万円に設定されていると
「内装や設備が残っているとはいえ、高すぎるのではないか」
と感じる方もいるでしょう。
しかし、造作譲渡料を判断するときに重要なのは
金額の大小だけではありません。
セット面やシャンプー台、空調設備など、何が譲渡対象に含まれているのか
設備をそのまま使用できるのかによって、その価値は大きく変わります。
この記事では、造作譲渡料の基本的な意味と
美容サロンの居抜き物件を契約する前に確認しておきたいポイントを解説します。
そもそも造作譲渡料とは?
造作譲渡料とは、前のテナントが店舗内に設置した内装や設備
什器などを、新しく入居するテナントが引き継ぐために支払う費用です。
一般的には、物件の所有者である貸主ではなく、現在の店舗を運営している前テナントに支払います。
そのため、賃貸借契約に伴う保証金や礼金、仲介手数料とは別に必要となる費用です。
美容サロンの場合は、次のようなものが造作譲渡の対象となることがあります。
店内の壁、床、天井
間仕切りや個室
受付カウンター
セット面、鏡
セット椅子
シャンプー台
ボイラーや給湯設備
空調設備
照明
看板
棚、ロッカー、ワゴン
スケルトン物件から美容サロンをつくる場合
給排水工事や電気工事、空調工事、内装工事などに多額の費用がかかります。
居抜き物件でこれらをそのまま利用できれば、工事費や設備費を大幅に抑えられる可能性があります。
何が譲渡対象になるのかを確認する
造作譲渡で最も重要なのは、何が譲渡対象に含まれているのかを明確にすることです。
同じ美容室の居抜き物件でも、店舗によって譲渡されるものは異なります。
例えば、セット面やシャンプー台は残される一方で、ドライヤーや美容機器
タオル、薬剤などは前テナントが持ち出すケースがあります。
店内に置かれているレジやパソコンがリース品であり、譲渡対象に含まれない場合もあります。
写真や内覧時の印象だけで、「店内にあるものはすべて引き継げる」と判断してはいけません。
契約前には、設備や什器の名称、数量などが記載された「造作譲渡対象一覧」や
「設備一覧」を確認しましょう。
口頭だけでなく、書面で譲渡対象を明確にしておくことが大切です。
また、エアコンや給湯設備など、建物に付属する設備については
貸主の所有物なのか、前テナントの所有物なのかも確認する必要があります。
造作譲渡料はどのように決まる?
造作譲渡料には、法律で定められた一律の相場や計算方法があるわけではありません。
内装や設備にかかった当初の費用、設備の年式や状態、店舗の立地
物件の人気度、撤去費用などを考慮し、前テナントとの交渉によって決まるのが一般的です。
美容サロンの居抜き物件では、数十万円から数百万円程度の造作譲渡料が設定されることがあります。
ただし、金額だけを見て、高い、安いと判断するのは適切ではありません。
例えば、造作譲渡料が300万円だったとしても、次のような設備をそのまま使用できるのであれば
新品で揃えるよりも安くなる可能性があります。
セット面4席
シャンプー台2台
セット椅子4脚
ボイラー
エアコン
受付カウンター
給排水設備
照明設備
一方で、譲渡料が100万円と安くても、設備が古く、入居後すぐに修理や交換が必要になれば
結果として出店費用が膨らむことがあります。
造作譲渡料を判断するときは、支払う金額だけでなく、譲渡される設備の現在価値や
入居後に必要となる修理・交換費用まで含めて比較することが重要です。
設備が正常に使用できるか確認する
造作譲渡の対象に含まれていても、設備が問題なく使用できるとは限りません。
特に確認したいのは、シャンプー台、ボイラー、給湯設備、エアコン、電気設備などです。
美容室では、お湯の温度や水圧が不安定だと営業に大きな支障が出ます。
ボイラーが古い場合は、開業後すぐに故障し、交換費用が発生する可能性もあります。
エアコンも店舗用になると交換費用が高額になりやすいため
製造年や修理履歴を確認しておきたい設備です。
内覧時には、可能であれば実際に設備を作動させてもらいましょう。
シャンプー台からお湯が出るか、排水に問題がないか、空調が正常に動くかなどを確認します。
設備の状態について判断が難しい場合は
内装業者や設備業者にも現地を確認してもらうと安心です。
リース品やレンタル品が含まれていないか
店舗内にある設備のすべてが、前テナントの所有物とは限りません。
美容機器、POSレジ、電話機、複合機、ウォーターサーバーなどは
リース契約やレンタル契約で利用されていることがあります。
リース品は、原則として前テナントが自由に譲渡できるものではありません。
譲渡対象一覧に記載されていたとしても、所有権がリース会社にあれば
そのまま引き継ぐことができない場合があります。
リース契約を引き継ぐ場合には、リース会社の承諾や審査が必要になることもあります。
残りの契約期間や月額料金、途中解約の条件なども確認が必要です。
設備ごとに、前テナントの所有物なのか、貸主の所有物なのか
リース品なのかを整理しておきましょう。
故障時の責任や保証も確認する
造作譲渡では、中古の設備や什器を現状のまま引き継ぐ
「現状有姿」での取引が一般的です。
そのため、引き渡し後に故障が見つかっても
前テナントに修理や交換を求められないケースがあります。
契約前には、設備に不具合があった場合の責任や
引き渡し後の保証があるのかを確認しておきましょう。
特に高額な設備については、次の項目を確認しておくと安心です。
メーカー名
製品名、型番
製造年
購入時期
修理履歴
現在の不具合
保証書の有無
取扱説明書の有無
設備の状態を把握したうえで
将来的な交換費用も資金計画に組み込んでおく必要があります。
原状回復義務にも注意する
造作を引き継いだからといって、退去時の原状回復義務がなくなるとは限りません。
賃貸借契約の内容によっては、前テナントから引き継いだ内装や設備についても
新しい借主が退去時に撤去し、スケルトン状態に戻す義務を負うことがあります。
入居時には利用できる設備でも、将来の退去時には撤去費用がかかる可能性があるということです。
造作譲渡契約だけでなく、貸主と締結する賃貸借契約も必ず確認しましょう。
特に、原状回復の範囲、残置物の取り扱い、設備の修理責任については
契約前に明確にしておくことが重要です。
契約前に確認したいチェックポイント
美容サロンの居抜き物件を検討するときは、少なくとも次の項目を確認しましょう。
造作譲渡の対象が書面で明確になっているか
設備の数量や型番、年式が確認できるか
シャンプー台やボイラーが正常に作動するか
給排水や電気容量に問題がないか
エアコンの年式や修理履歴を確認したか
リース品やレンタル品が含まれていないか
故障や不具合が書面で開示されているか
引き渡し後の保証や責任範囲が明確か
貸主が造作譲渡を承諾しているか
退去時の原状回復義務を確認したか
居抜き物件は、初期費用や工事期間を抑えられる可能性がある一方
設備の状態や契約内容を十分に確認しないまま契約すると
開業後に追加費用が発生することがあります。
まとめ
造作譲渡料を判断するときは、金額だけでなく
譲渡対象や設備の状態、修理・交換費用まで確認することが大切です。
写真や口頭説明だけで判断せず、設備一覧や契約書をもとに、出店に必要な総額を見極めましょう。
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居抜き物件や造作譲渡についてお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

