美容サロンの出店費用はいくらかかる?
物件取得費・内装費・設備費の基本を徹底解説
美容サロンの出店費用はいくらかかる?
物件取得費・内装費・設備費の基本を徹底解説

美容室・サロンを出店するとき、「開業資金はいくら必要なのか」は誰もが気になるポイントです。
日本政策金融公庫の『美容業の創業の手引』では、美容室の開業資金は平均約891万円と紹介されています。
ただし、この数字は2012年度の調査によるもので、その後発表された『2024年度新規開業実態調査』でも、開業費用は業種を問わず上昇傾向にあることが示されています。
近年は建築資材や設備価格、人件費の高騰も重なり、実際の出店費用はこれらの数字よりもさらに大きくなっているのが実情です。
現在では、居抜き物件でも1,000万円前後、スケルトン物件では2,000万円を超えるケースも珍しくありません。
大切なのは、家賃だけで物件を判断するのではなく、物件取得費や内装費、設備費、運転資金まで含めた「総額」で考えることです。
この記事では、美容室・サロンの出店で必要となる費用の内訳と、物件選びで押さえておきたいポイント、資金調達の考え方までを解説します。
出典
・日本政策金融公庫「美容業の創業の手引」
・日本政策金融公庫「2024年度新規開業実態調査」
目次
美容室・サロンの出店費用は総額いくら必要?
出店費用は、物件の状態や広さによって大きく異なります。
一般的な目安は次のとおりです。
出店方法 |
開業資金の目安 |
シェアサロン |
50~150万円 |
居抜き(10~15坪) |
800~1,500万円 |
居抜き(20坪前後) |
1,200~2,000万円 |
スケルトン(10~15坪) |
1,500~2,500万円 |
スケルトン(20坪以上) |
2,500~4,000万円 |
以前は「1,000万円あれば美容室を開業できる」と言われることもありましたが、現在は工事費や設備価格の上昇により、同じ規模でも数百万円以上高くなるケースがあります。
まずは、どのような費用が発生するのかを理解することが重要です。
物件取得費(保証金・仲介手数料など)
物件を契約するときは、家賃以外にもさまざまな初期費用が発生します。
主な費用は次のとおりです。
・保証金(敷金)
・礼金
・仲介手数料
・前家賃
・保証会社利用料
・火災保険料
例えば、家賃30万円の店舗を契約する場合、保証金が家賃8か月分であれば240万円になります。
さらに、礼金や仲介手数料、前家賃などを合わせると、契約時だけで300万~400万円程度必要になることもあります。
保証金が少ない物件もありますが、その分、家賃が高めに設定されているケースもあります。
目先の初期費用だけではなく、長期的な支払総額まで含めて比較することが大切です。
居抜き物件では造作譲渡料も確認
居抜き物件では、前テナントが残した設備や内装を引き継ぐ代わりに、「造作譲渡料」が発生することがあります。
相場は50万~300万円程度ですが、人気エリアや設備が充実した物件では500万円を超えるケースもあります。
一見すると高額に感じますが、シャンプー台やセット面、ボイラー、エアコンなどを新品で揃えれば、それ以上の費用がかかることも珍しくありません。
そのため、造作譲渡料だけで判断するのではなく、「新品で設備を導入した場合と比べて本当に得なのか」という視点で考えることが重要です。
設備の年式やメンテナンス状況も確認しておきましょう。
開業費用の中で最も大きいのは内装工事
日本政策金融公庫の調査では、開業資金の約半分を内装工事が占めています。
現在の目安は、次のような水準です。
・10坪程度:400~700万円
・20坪程度:700~1,200万円
・30坪以上:1,200万円以上
ただし、内装費は坪数だけで決まるものではありません。
実は、物件選びによって大きく変わる費用でもあります。
例えば、以前も美容室として営業していた物件であれば給排水設備や電気容量、空調設備などをそのまま活用できる場合があります。
一方、飲食店や事務所だった物件では、美容室仕様に変更するために配管や電気工事が必要となり、工事費が数百万円増えることも。
また、セット面の増設や個室の設置、シャンプー台の位置変更なども費用に大きく影響します。
そのため、家賃だけで物件を選ぶのではなく「この物件なら内装費はいくらかかるのか」という視点で検討することが結果的に出店コストを抑える近道です。
美容設備・機器の費用
美容室では、内装だけでなく設備への投資も欠かせません。
代表的な設備には、
・セット椅子
・セット面
・シャンプー台
・ボイラー
・ワゴン
・ミラー
・エアコン
・洗濯機・乾燥機
などがあります。
日本政策金融公庫では、機械・什器備品の平均は約189万円とされていますが、現在は価格上昇の影響もあり、200万~500万円程度を見込むケースが増えています。
新品だけでなく、中古品やリースを活用することで初期費用を抑えることも可能です。
ただし、耐用年数やメンテナンス費用も考慮し、長期的なコストで判断することが大切です。
運転資金も忘れてはいけない
開業時に見落とされがちなのが運転資金です。
オープンしたその日から満席になる店舗は多くありません。
しかし、売上が少ない時期でも、家賃や人件費、材料費、借入返済、社会保険料などの支払いは続きます。
日本政策金融公庫でも、創業時には十分な運転資金を確保することの重要性が示されています。
一般的には、固定費の3~6か月分を目安に準備しておくと安心です。
開業資金だけで予算を使い切ってしまうと、順調に集客できるまでの資金繰りが厳しくなる可能性があります。
モデルケースで見る費用の合計イメージ
ここまでの費用項目を、20坪前後の居抜き物件を例に合計してみると、次のようなイメージになります。
項目 |
金額目安 |
物件取得費 |
約300~400万円 |
造作譲渡料 |
約100~300万円 |
内装工事費 |
約700~1,200万円 |
美容設備・機器費 |
約200~500万円 |
運転資金(固定費3~6か月分) |
約150~300万円 |
合計目安 |
約1,450万~2,700万円程度 |
もちろん、立地や物件の状態、こだわりたい内装のグレードによって金額は上下します。
あくまで一つの目安として、ご自身が検討している物件・規模に当てはめて、総額をシミュレーションしてみることをおすすめします。
開業資金はどう用意する?
出店費用の総額が見えてきたら、次に考えたいのが「その資金をどう用意するか」です。
主な選択肢は次のとおりです。
自己資金
一般的には、開業資金全体の3割程度を自己資金として準備できると、その後の融資審査でも有利になりやすいといわれています。
日本政策金融公庫の創業融資
新規開業者向けの融資制度があり、比較的低金利で無担保・無保証人の枠が用意されている場合もあります。
事業計画書の作成が重要なポイントになります。
自治体の補助金・助成金
開業する地域によっては、創業支援の補助金や助成金制度が利用できることがあります。
募集時期や条件は自治体ごとに異なるため、早めの情報収集がおすすめです。
日本政策金融公庫以外の金融機関からの融資
民間の金融機関や信用金庫でも創業融資を扱っている場合があります。
資金調達は、物件選びと同時並行で進めておくとスムーズです。
希望の物件が見つかってから慌てて動くと、契約のタイミングを逃してしまうこともあるため、早めの準備をおすすめします。
まとめ
美容室・サロンの出店費用を抑えるポイントは「家賃が安い物件」を選ぶことではありません。
物件取得費や内装工事、設備投資、そして資金調達の方法まで含めた総額・全体像で判断することが重要です。
BGパートナーズでは、美容室・サロン専門の豊富な物件情報に加え、出店コストや資金計画も踏まえた物件選びをサポートしています。
「まずは自分の場合、いくらかかるのか知りたい」という方も、ぜひお気軽に無料相談をご利用ください。
参考文献
・日本政策金融公庫『美容業の創業の手引』
・日本政策金融公庫『2024年度新規開業実態調査』
・J-Net21『美容室開業ガイド』

